スロー・ラーニング

そういえば忘れていましたが、今春から高校は新学習要領の実施となりますね。
ということでこのシーズンの風物詩、教科書検定のニュースなんかがあれこれ出ていますが、英語関係ではこんな記事がありました。

http://mainichi.jp/select/news/20130327k0000m040068000c.html

「英語」「オーラルコミュニケーション」「リーディング」「ライティング」に分けていた科目を「コミュニケーション英語」「英語表現」「英語会話」に再編。

なんだか分かったような分からんような「再編」ですが、僕はまだ実物を見たことはないですけど、倉敷で採用されてる"Unicorn"(文英堂)とか"Power-on"(東京書籍)シリーズなんかも一新されてますね。

「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という新ルールを盛り込んだ。26日に検定結果が公表された英語教科書も、多くがスピーチやディベートなど「コミュニケーション重視」を前面に出し、日本語の記述を減らしている。だが、教員からは指導の不安や疑問の声が聞かれ、実際には「文法重視」の従来型教科書の人気が高まるという皮肉な現象も起きている。

これについては現場の動揺や混乱が目に浮かぶようです(笑)結局、大山鳴動鼠一匹的なことに落ち着く気はしてますが、英語について言うと、コミュニケーションはそら大事ですが、丁寧に一語一文、文法・構文を納得して、声に出して耳にして、体に落とし込む体育会系的基礎トレーニンをおろそかにするようならば、いっそう家庭教師や塾のニーズが高まることになるでしょう。

今回の検定で合格した教科書は、文章を速く読んで大意をつかませ、理解度を穴埋め問題などでチェックするスタイルが目立つ。さらに、そのテーマで生徒にスピーチやディスカッションをさせるが、文中の文法事項は、それらの合間に挟み込む形で付随的に学ばせるものが多い。

これは確信を持って言えますが、ゆっくり読んでもわからんものは速読できません!
いやまあ物理的に速く雑に読むことは可能でしょうが、そんなものは効果薄いと思いますね。
英語でも国語でも、むしろ「スロー・リーディング」(平野啓一郎)というか、「スロー・ラーニング」を徹底すべきというのが、私の意見です。

Make haste slowly!

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)

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