『フォーカス・ファインダー 英文法・語法問題』

Focus Finder 英文法・語法問題 大学入試攻略のための焦点189

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Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント215の征服

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センター試験レベルの英文法系の問題集といえば、良くも悪くも『ネクステージ』が定番で、岡山県の多くの進学校も採用してますが、同じ著者(河合塾の瓜生豊氏)が今年出した文法問題集がこれです。
S高校で配布されたとのことで私も中身を見てみたのですが、なかなか良い感じだと思います。
「文法」「語法」「イディオム」「単語・語彙」「会話表現」「発音・アクセント」の6部構成は、ネクステとまったく同じですが、全体の問題数はこちらの方がかなり絞り込んであります(ネクステは1380題で、こちらは948題)。ネクステはイディオムの量が無駄に多くて、一周解くのに時間がかかりすぎる印象があったので、こちらの方が使いやすいのではないでしょうか。
あとこちらは前書きでネイティブチェックが入っていることを強調しています。すると、ネクステの頃はチェックしてなかったんですかね、といったことが気になったりもします。

まだ使いはじめたばかりなので、ネクステで微妙だった解説が改善されているか、生徒の反応はどうか、などを見て追記していく予定です。

追記1:
ネクステの駄目なところというのは、絶対におさえておくべき基本問題と難関大学ぐらいでしか出されない難問が同じような重要性で書かれているかに見えることと、その難問の解説がわかりにくい、ということです。

例えば、317の慶應義塾大学の問題で、

Derek found an ideal environment ( ).
1. in which foreign languages to be learnt
2. in which to learn foreign languages
3. learning foreign languages in
4. which to learn foreign languages in

というのがあり、2.が正解なんですが、その解説がこんな感じなんですね。

「前置詞+関係代名詞+to 不定詞」の用法
⇒「前置詞+関係代名詞+to 不定詞」の用法が、直前の名詞を修飾する用法がある。
「前置詞+関係代名詞」のセットが必ずto不定詞の前に来なければならない。
この形は、近年、整除問題でもよく問われる。
◆この表現は前置詞を後置することはできない。よって4,は不可。

そもそも、こんなマニアックな問題そんなに出ますかね?
それに説明がわかりにくいです。
センターレベルの生徒には、Derek found an ideal environment to learn foreign languages in. という、前置詞を最後に残す不定詞の形容詞的用法を使ったこっちの文をしっかり身につけてもらうことの方がはるかに大事です。
その上で、この場合は、不定詞が、副詞的用法(〜ために=in order to)ではなく、形容詞的用法であることをはっきりさせるためにあえてこういう表現を使うこともある、という手順で説明するべきじゃないでしょうか。少なくとも一つのセクション設けるような問題とは思えません。

で、新しいフォーカス・ファインダーの方で関係詞のとこを見てみると、この問題はなくなっているようです(まだテキスト全部を確認したわけじゃありませんが)。

追記2:
で、その後の感想ですが、見た目以上に扱う範囲を絞り込んでますね。
例えば、「関係詞」で言うと、なんと、asとかthanがなくなっています。たしかに、近年の入試の傾向では減ってるのかもしれませんね。TOEICとかでそういうマニアックな関係詞が出題されることはあまりないので、今後もそうなっていくかもしれません。ただ、そういう最新の傾向にろくろく対応してない田舎の進学校の定期試験なんかでは、関係詞のasとかthanとか、ばんばん出題されているので、1,2年生にこのテキストをすすめるのは微妙かもしれません*1

現時点での私の印象で言うと、3年生が短期集中で文法・語法の総復習をするのに適した教材、という感じでしょうか。田舎進学校の1,2年生が定期試験対策も兼ねながら使うには網羅性の高いネクステの方が無難かもしれません。

*1:あと、語法でいうと、hardly everみたいなのがなくなっているのは気になります